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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第5章 禁域
 次々と込み上げる涙を堪えながら、心優はそれでも精一杯声を張り上げて頭を下げた。
 本当はもっと二年三組の子たちと一緒に過ごしたかった。彼らが全員揃って無事に三年に進級するのを見届けたかった。だが、その想いはとうとう最後まで口にできなかった。
 心優の想いはこの時、確かに生徒たちに伝わっていた。
「あーあ、泣いちゃった」
「先生、泣くなよ。俺たちだって、これでも淋しいんだぜ」
 この科白をくれたのは青田大悟だった。
 最後の最後まで自分は教師として未熟だと心優はハンカチで溢れる涙を抑えながら思った。
 その日も予定どおり終わり、心優は放課後、また国語科の控え室や職員室、ロッカーなど持ち物を纏めた。段ボールに入れ、これは後日に取りにくることにした。
 もう一度三階に上がって三組の教室をゆっくりと見渡す。ガランとした放課後の教室にはただ整然と机と椅子が並んでいるだけだ。
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