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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第2章 始まりの試練
その時、突如として湧き上がってきたのは例えようもないほどの嫌悪感だった。それは心優でさえ、もうとっくに忘れた―たとえ忘れたとまではゆかずとも、心の奥底に閉じ込めているはずのものだ。
そう、あの日の忌まわしい記憶。もう久しく思い出すことすらなかった、あの瞬間の。
だが、それは大きな間違いであったらしい。はるか昔に消滅した、或いは超越したと思い込んでいたあの記憶はこうして似たような出来事が起こると、心優を責め苛むのだ。
「いやっ、止めて、離して」
心優は恐慌状態に陥った。あの日、幼い心優のまだ膨らみ始めたばかりのいとけない乳房を執拗に揉んだ手、荒々しく引き裂いた木綿の黄色のワンピースは母のお手製で、その頃の心優のお気に入りだった。
無残に引き裂かれたワンピース、嫌だと泣き叫んで暴れた夏の日の午後が今、時を巻き戻したように甦った。あの出来事があって以来、母は心優を九州の祖母の許に預けた。その二年後、母もまた義父の暴力に堪えかねて離婚した。長らく義父に心身ともに虐げられた生活を送った母が鬱状態になり、自ら生命を絶ったのは心優が十四歳のときのことだった。
そう、あの日の忌まわしい記憶。もう久しく思い出すことすらなかった、あの瞬間の。
だが、それは大きな間違いであったらしい。はるか昔に消滅した、或いは超越したと思い込んでいたあの記憶はこうして似たような出来事が起こると、心優を責め苛むのだ。
「いやっ、止めて、離して」
心優は恐慌状態に陥った。あの日、幼い心優のまだ膨らみ始めたばかりのいとけない乳房を執拗に揉んだ手、荒々しく引き裂いた木綿の黄色のワンピースは母のお手製で、その頃の心優のお気に入りだった。
無残に引き裂かれたワンピース、嫌だと泣き叫んで暴れた夏の日の午後が今、時を巻き戻したように甦った。あの出来事があって以来、母は心優を九州の祖母の許に預けた。その二年後、母もまた義父の暴力に堪えかねて離婚した。長らく義父に心身ともに虐げられた生活を送った母が鬱状態になり、自ら生命を絶ったのは心優が十四歳のときのことだった。