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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第3章 もつれ合う心
心優はハッとした。そういえば、と今更ながらに思い出す。数学の本井基(はじめ)は二十九歳で、職員の中では心優と最も歳が近い。比較的中高年が多い中、二十代の若手は心優と本井だけなのだ。そのため、顔を合わせると話をすることも多い。
心優が特に親しいのは社会を担当している三十歳になったばかりの女教師である。その彼女がいつかこんな話をこっそりと教えてくれた。
―以前、本井先生と長瀬君が殴り合いになったことがあってね。
何でも、一年のときの担任が本井だったのだという。長瀬の授業時の態度が悪いのはその頃からで、ある時、本井が長瀬に向かって
―お前の素行の悪いのは母親の躾けがなっとらんからだ。
と決めつけて、それがきっかけで取っ組み合いの喧嘩になった。しかも最初に殴ったのは本井の方だという。
心優が特に親しいのは社会を担当している三十歳になったばかりの女教師である。その彼女がいつかこんな話をこっそりと教えてくれた。
―以前、本井先生と長瀬君が殴り合いになったことがあってね。
何でも、一年のときの担任が本井だったのだという。長瀬の授業時の態度が悪いのはその頃からで、ある時、本井が長瀬に向かって
―お前の素行の悪いのは母親の躾けがなっとらんからだ。
と決めつけて、それがきっかけで取っ組み合いの喧嘩になった。しかも最初に殴ったのは本井の方だという。