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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第3章 もつれ合う心
「そう、だな。サンキュ」
長瀬はまた笑った。心優は思いきって別の話題を振ってみた。
「ねえ、さっき教室で勉強してたんじゃない? 何をやってたの」
長瀬は虚を突かれたようにポカンとし、それから頷いた。
「『源氏物語』。今、教科書でやってるだろう。あれって、全然判んねえ。何で、あんなくだらない小説が不朽の名作だなんて言われるのか俺は理解できないけどさ。だって、あれって、ただの女好きの男が浮気しまくって、色んな女とやりまくるだけの話じゃない? 第一、自分の義理の母親とやっちまうだなんて、よくあんなのを高校の教科書に載せるんだと俺なんかは思うよ」
心優は微笑んだ。
「長瀬君はまだ子どもだから、大人の愛は判らないのよ。たとえ許されない恋だとしても、女の人を好きにならずにはいられない、そういう恋だってあるの。藤壺女御は光源氏にとっては生涯忘れられない永遠の女性なのよね。まだ子どもだった彼の前に突然現れた少しだけ年上の美しくて優しい女性、それが彼女だったから、源氏は姉のように慕う藤壺女御を次第に恋い慕うようになった、そういうことだと思うわ」
長瀬はまた笑った。心優は思いきって別の話題を振ってみた。
「ねえ、さっき教室で勉強してたんじゃない? 何をやってたの」
長瀬は虚を突かれたようにポカンとし、それから頷いた。
「『源氏物語』。今、教科書でやってるだろう。あれって、全然判んねえ。何で、あんなくだらない小説が不朽の名作だなんて言われるのか俺は理解できないけどさ。だって、あれって、ただの女好きの男が浮気しまくって、色んな女とやりまくるだけの話じゃない? 第一、自分の義理の母親とやっちまうだなんて、よくあんなのを高校の教科書に載せるんだと俺なんかは思うよ」
心優は微笑んだ。
「長瀬君はまだ子どもだから、大人の愛は判らないのよ。たとえ許されない恋だとしても、女の人を好きにならずにはいられない、そういう恋だってあるの。藤壺女御は光源氏にとっては生涯忘れられない永遠の女性なのよね。まだ子どもだった彼の前に突然現れた少しだけ年上の美しくて優しい女性、それが彼女だったから、源氏は姉のように慕う藤壺女御を次第に恋い慕うようになった、そういうことだと思うわ」