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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
校長は深々と大息を吐き出した。
「まったく君にも困ったものだ。この間は長瀬大翔と女子職員用のトイレに二人きりで閉じこもっていたというし、今度は今度でその長瀬を殴ったというじゃないか。また今度も長瀬か? 君たちは本当に噂どおりの仲なのか?」
英語教師の村田のせいかどうかは判らないが、長瀬と自分の間に何かあるのではないかという事実無根の噂が飛び交っているのは知っていた。
先日とは変わり、校長ははっきりと長瀬の名を出した。態度も比べものにならないほど厳しい。
「前任校では諍いらしい諍いをしたこともない君が何故、転任早々、問題ばかり起こすんだ?」
五月とはいえ、この部屋だけは贅沢に冷房が効いている。その暑くもない室内で彼は汗だくになっていた。またも背広のポケットからしわくちゃのハンカチを取り出した。前回は白だったが、今回は紺色である。―と、心優は馬鹿馬鹿しいことをぼんやりと考えた。
「まったく君にも困ったものだ。この間は長瀬大翔と女子職員用のトイレに二人きりで閉じこもっていたというし、今度は今度でその長瀬を殴ったというじゃないか。また今度も長瀬か? 君たちは本当に噂どおりの仲なのか?」
英語教師の村田のせいかどうかは判らないが、長瀬と自分の間に何かあるのではないかという事実無根の噂が飛び交っているのは知っていた。
先日とは変わり、校長ははっきりと長瀬の名を出した。態度も比べものにならないほど厳しい。
「前任校では諍いらしい諍いをしたこともない君が何故、転任早々、問題ばかり起こすんだ?」
五月とはいえ、この部屋だけは贅沢に冷房が効いている。その暑くもない室内で彼は汗だくになっていた。またも背広のポケットからしわくちゃのハンカチを取り出した。前回は白だったが、今回は紺色である。―と、心優は馬鹿馬鹿しいことをぼんやりと考えた。