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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
「どうせ、たいした客も付かないから、遅れたって良いの。こういう夜の商売は外見と若さが売りなのよ。もう流石にこの歳じゃア、難しいわ。自分で店でも開かない限りはねえ。あんたのような若くて綺麗な子なら、すぐに大勢の客がつくのにさ。今頃、昼の仕事をしながら、バイトで夜の仕事もする若い子が多いのよ、あんたもどう、先生」
母親に悪意がないのは判ったが、流石に顔が引きつった。
「いえ、私はご遠慮します」
「あら、残念ね。あ、座って」
彼女は少しも残念そうには見えず、どこか浮き浮きとした調子でキッチンスペースらしい片隅で動き回った。ガスレンジに小さな薬缶をかけ、改めて振り返る。
「コーヒーで良いかしら?」
「あ、は、はい」
アパートは、畳六畳ほどの和室と後は板の間があるだけだ。キッチンスペースはその板の間の片隅に付いている。板の間から和室は古ぼけた襖が開け放しているせいで、丸見えだ。心優は今、その和室に置かれた小さなガラステーブルに向かって座っていた。
母親に悪意がないのは判ったが、流石に顔が引きつった。
「いえ、私はご遠慮します」
「あら、残念ね。あ、座って」
彼女は少しも残念そうには見えず、どこか浮き浮きとした調子でキッチンスペースらしい片隅で動き回った。ガスレンジに小さな薬缶をかけ、改めて振り返る。
「コーヒーで良いかしら?」
「あ、は、はい」
アパートは、畳六畳ほどの和室と後は板の間があるだけだ。キッチンスペースはその板の間の片隅に付いている。板の間から和室は古ぼけた襖が開け放しているせいで、丸見えだ。心優は今、その和室に置かれた小さなガラステーブルに向かって座っていた。