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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
母親は言うだけ言い、今度はアップルパイを手に持ってかじった。フォークも付けたのだが、なかなか豪快な食べっぷりである。
「ん、美味し」
と、十代の少女のように無邪気に笑う。その笑顔が長瀬ととてもよく似ていることに改めて気づいた。苦労のせいでやつれ、四十という実年齢より多少更けては見えるが、目鼻立ちはくっきりとして、やはり異国風な顔立ちをしている。濡れたような棗型の漆黒の瞳が美しい。
若い頃はさぞかし美しかったに相違ない。
「近頃になって、息子が言うのよ。惚れた女ができたって。男子校なのに、女子生徒がいるわけじゃないから、そんな娘(こ)をどこで捕まえたのよって問い詰めてやっても、大翔は何も言わなくてさ。大方、通学途中の女の子でも見かけたのかなって思ってたんだけど、やっと大翔の惚れた女の子っていうのが誰か判ったわよ」
「ん、美味し」
と、十代の少女のように無邪気に笑う。その笑顔が長瀬ととてもよく似ていることに改めて気づいた。苦労のせいでやつれ、四十という実年齢より多少更けては見えるが、目鼻立ちはくっきりとして、やはり異国風な顔立ちをしている。濡れたような棗型の漆黒の瞳が美しい。
若い頃はさぞかし美しかったに相違ない。
「近頃になって、息子が言うのよ。惚れた女ができたって。男子校なのに、女子生徒がいるわけじゃないから、そんな娘(こ)をどこで捕まえたのよって問い詰めてやっても、大翔は何も言わなくてさ。大方、通学途中の女の子でも見かけたのかなって思ってたんだけど、やっと大翔の惚れた女の子っていうのが誰か判ったわよ」