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独占欲に捕らわれて
第8章 独占欲に捕らわれて
「えぇ、本当に。だから驚いちゃった。……でもね、ここ最近全然呼び出しがなくて……」
千聖は目を伏せ、グラスのふちを指先でなぞる。
「寂しいのかい?」
義和は茶化すように言うと、サラミを頬張った。
「まさか! むしろ静かでいいくらいよ。……だけどね、ちょっと気がかりなことがあるの」
千聖はつられるようにサラミを口に投げ入れた。
「気がかり? それは、どんなことだい?」
「紅玲はね、親にまともに愛されなかったの。お母様の顔は見たことないし、お父様は彼を家政夫みたいに扱ってたって……。女性にも恵まれなくて、酷い振られ方をしたらしいの。ちょうど1週間前、そんなふたりに会ったんですって……」
「それは……心配だね……」
義和は眉をひそめながら、グラスを空にした。
「ひどく落ち込んでいたわ……。カシオレ1杯で赤くなるくせに、レディーキラーのカクテルを何杯も呑んでた。ホテルに引っ張りこんで、水を飲ませたりして、大変だったわ……」
千聖がやれやれと肩をすくめると、義和は小さく笑った。
「ちょっと、どこに笑う要素があったのかしら?」
「ごめんごめん、話が面白いと思ったわけじゃないよ」
義和はむくれる千聖をなだめるように、微笑みかける。
「じゃあ、どういうこと?」
「千聖ちゃんは、紅玲くんのことが好きなんだなって」
温かい目を向けられ、千聖は顔をしかめる。
「それはありえません」
キッパリ言うと、義和は吹き出した。
「ムキになって否定しちゃって……。それこそ好きだという証拠じゃないかな?」
「わけが分からないわ……」
千聖はそっぽを向きながら、思考回路を回した。
紅玲は心配になるほどのお人好しだ。そのお人好しが災いして、女性に利用されて捨てられることもあった。実際千聖も、紅玲のお人好しに助けられている。
だが好きかどうかとなれば話は別だ。借金の肩代わりに感謝し、過去に同情はするが、恋愛的好意とはまったくの別物である。
千聖は目を伏せ、グラスのふちを指先でなぞる。
「寂しいのかい?」
義和は茶化すように言うと、サラミを頬張った。
「まさか! むしろ静かでいいくらいよ。……だけどね、ちょっと気がかりなことがあるの」
千聖はつられるようにサラミを口に投げ入れた。
「気がかり? それは、どんなことだい?」
「紅玲はね、親にまともに愛されなかったの。お母様の顔は見たことないし、お父様は彼を家政夫みたいに扱ってたって……。女性にも恵まれなくて、酷い振られ方をしたらしいの。ちょうど1週間前、そんなふたりに会ったんですって……」
「それは……心配だね……」
義和は眉をひそめながら、グラスを空にした。
「ひどく落ち込んでいたわ……。カシオレ1杯で赤くなるくせに、レディーキラーのカクテルを何杯も呑んでた。ホテルに引っ張りこんで、水を飲ませたりして、大変だったわ……」
千聖がやれやれと肩をすくめると、義和は小さく笑った。
「ちょっと、どこに笑う要素があったのかしら?」
「ごめんごめん、話が面白いと思ったわけじゃないよ」
義和はむくれる千聖をなだめるように、微笑みかける。
「じゃあ、どういうこと?」
「千聖ちゃんは、紅玲くんのことが好きなんだなって」
温かい目を向けられ、千聖は顔をしかめる。
「それはありえません」
キッパリ言うと、義和は吹き出した。
「ムキになって否定しちゃって……。それこそ好きだという証拠じゃないかな?」
「わけが分からないわ……」
千聖はそっぽを向きながら、思考回路を回した。
紅玲は心配になるほどのお人好しだ。そのお人好しが災いして、女性に利用されて捨てられることもあった。実際千聖も、紅玲のお人好しに助けられている。
だが好きかどうかとなれば話は別だ。借金の肩代わりに感謝し、過去に同情はするが、恋愛的好意とはまったくの別物である。