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独占欲に捕らわれて
第8章 独占欲に捕らわれて
「ちょっと待っててね」
紅玲はトイレから出ていく。
(怖い……。私、どうなっちゃうの? 殺されたりとか、しないわよね……?)
まったく読めない紅玲の行動に恐怖を感じ、悪い方へ思考を回す。
「おまたせ。これがあれば退屈しないと思うんだ」
戻ってきた紅玲は、洋式トイレの蓋を閉め、その上に小型テレビを置いた。テレビには、先程までいたベッドが映っている。
(何をする気なの……?)
不安になって紅玲を見上げると、彼は優しく微笑んで髪を撫でる。
「そんな不安そうな顔しないで? オレがチサちゃんに、酷いことするわけないでしょ? だって、こんなに愛してるんだから」
紅玲は千聖の頬にキスをすると、今度はヘッドホンをつけた。大音量でジャズが流れる。紅玲は口を動かすが、何を言っているのか聞こえない。
自由と声、そして聴覚を奪われて怯える千聖にキスをすると、紅玲はトイレから出ていった。小型テレビを見ると、紅玲はベッドに腰掛け、電話をしている。電話が終わると、こちらに向かって手を振った。
(もう、なんなの!? なんで私がこんな目に合わなきゃなんないのよ!)
千聖の叫びは誰にも届くことはない。
10分もすると紅玲はベッドから立ち上がり、画面から消えた。すぐに戻ってきたが、女性と一緒だ。女性はウェーブのかかった髪に、シフォンスカートをはいている。ふたりは笑顔で話をしながら、ベッドを素通りして画面から消える。その先にあるのは、浴室だ。
(今の女……。もしかして、ミチル!?)
以前ぶつかった女性と同じ特徴を持つ女性に、千聖の胸がざわつく。例の女性がミチルと確認したわけでもなければ、画面に映った女性と同一人物というわけでもない。それでも混乱に陥った千聖は、例の女性と画面の女性がミチルだと思い込んでしまった。
シャワーをすませたふたりが、ベッドの上に戻ってくる。ふたりは情熱的なキスを何度も交わしながら、バスローブを脱がせ合う。紅玲は愛おしげな目を女性に向けながら押し倒し、貧相な女性の胸を貪る。
(なんで? どうして私じゃない女をあんな目で見たの? なんでそんな女に夢中になるの? その女は、あなたを金づるだとしか思ってないのよ?)
千聖の中で、疑問と怒りがふつふつと沸き上がる。
紅玲はトイレから出ていく。
(怖い……。私、どうなっちゃうの? 殺されたりとか、しないわよね……?)
まったく読めない紅玲の行動に恐怖を感じ、悪い方へ思考を回す。
「おまたせ。これがあれば退屈しないと思うんだ」
戻ってきた紅玲は、洋式トイレの蓋を閉め、その上に小型テレビを置いた。テレビには、先程までいたベッドが映っている。
(何をする気なの……?)
不安になって紅玲を見上げると、彼は優しく微笑んで髪を撫でる。
「そんな不安そうな顔しないで? オレがチサちゃんに、酷いことするわけないでしょ? だって、こんなに愛してるんだから」
紅玲は千聖の頬にキスをすると、今度はヘッドホンをつけた。大音量でジャズが流れる。紅玲は口を動かすが、何を言っているのか聞こえない。
自由と声、そして聴覚を奪われて怯える千聖にキスをすると、紅玲はトイレから出ていった。小型テレビを見ると、紅玲はベッドに腰掛け、電話をしている。電話が終わると、こちらに向かって手を振った。
(もう、なんなの!? なんで私がこんな目に合わなきゃなんないのよ!)
千聖の叫びは誰にも届くことはない。
10分もすると紅玲はベッドから立ち上がり、画面から消えた。すぐに戻ってきたが、女性と一緒だ。女性はウェーブのかかった髪に、シフォンスカートをはいている。ふたりは笑顔で話をしながら、ベッドを素通りして画面から消える。その先にあるのは、浴室だ。
(今の女……。もしかして、ミチル!?)
以前ぶつかった女性と同じ特徴を持つ女性に、千聖の胸がざわつく。例の女性がミチルと確認したわけでもなければ、画面に映った女性と同一人物というわけでもない。それでも混乱に陥った千聖は、例の女性と画面の女性がミチルだと思い込んでしまった。
シャワーをすませたふたりが、ベッドの上に戻ってくる。ふたりは情熱的なキスを何度も交わしながら、バスローブを脱がせ合う。紅玲は愛おしげな目を女性に向けながら押し倒し、貧相な女性の胸を貪る。
(なんで? どうして私じゃない女をあんな目で見たの? なんでそんな女に夢中になるの? その女は、あなたを金づるだとしか思ってないのよ?)
千聖の中で、疑問と怒りがふつふつと沸き上がる。