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ソレは、二十歳になってか……ら……?
第1章 前編
「お疲れ様でーす!」
「お疲れ」
「お疲れー!!」
「お疲れ様でしたっ」
るりの手料理が所狭しと並んだテーブル。
四人四様の挨拶と共に、乾杯が行われ……ない。
グラスの中は、まだ空だ。
本日は、俺らの仕事の打ち上げ兼、るりと姫ちゃんが初めて酒を飲む会だ。
二人は、この前二十歳になった。
るりのがちょっと早ぇけど、初めて飲むのは姫ちゃんとって決めてたみてーで、今日まで飲まねーで待ってたんだよな……
……あああああ……やることがいちいち可愛すぎて、どうしたら良いのか、分からねー……いっそ俺らも結婚しちゃうか。
「何飲む?何飲むっ?ビール?」
姫ちゃんがわくわく言う。
ビールは、いっぱい有るよ!ウチのビールは、俺以外の奴らのだから、遠慮しねーで飲んでくれて良いよ!!
「苦ぇぞ。大丈夫か」
ほら、もう勝手に出してる奴が居る。
朔と巧が買って持って来て入れてるヤツだから、良んだけど。
「だって、いつも美味しそうに飲んでる……」
「それはそれだろ。お前、ゴーヤも食えねぇだろうが」
「むー……」
姫ちゃんは、朔をじとっと上目遣いで見た。
朔は平然とビールをグラスに注いでいる。
「甘いお酒も有るよ?持って来るね!」
「えっ?ひめも手伝う?」
「俺も手伝う!」
「大丈夫!座ってて」
るりは芸術的なお尻の上のエプロンのちょうちょ結びを弾ませながら、冷蔵庫の方に歩いて行った。
今着ているワンピースは、タイトなラインで絶妙なスリットが入っている。けしからんエロ……じゃねー、けしからん可愛さだぁね…………
…………いけねー。打ち上げやべー。妄想が止まらねー。
さっき帰ってすぐに準備中のるりに台所でサカっていっぺんあんあん言わせたってのに、俺って奴ぁ……
そんな我慢弱ぇ情けねー俺を、「しょうがない甘えん坊さんだね、ヒカリさん♡」って恥ずかしそうに笑って許してくれたるりは、外も中も何もかもめっちゃ最高の女神だった……
……はっ。いけねー、今はイケねんだ。
さっきの事ぁ、今は忘れろ。