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ソレは、二十歳になってか……ら……?
第3章 後編

「昨日、したことっ……途中までしか、憶えてないんだよね?!それなのに、また飲めるって喜んじゃ、だめでしょっ!」

「……ふぁひ……」

 あああ……怒られた……怒られても当然っ……
 見捨てられねーだけ、マシだと思おう……。

「いい?飲んで良いかどうかは、時と場合によりますからっ!」

「ふぁい……」

「飲んで良いよっていう時だって、ちょっとだけなんだからねっ!」

「はひ……ぃ?」

 るりが良いってったら、ちょっとだけなら、飲んでもいんだ……ってまたここで喜んじゃダメなんだって!

「あとっ!」

「はいっ!!」

 反省を胸に、良いお返事で、ぴしっと答える。

「……飲むなら、約束守ってね?」

「へっ」

 突然の、おっぱい……。
 るりの胸にふわんと抱かれて、なんかやわらけーもんが、おでこにちゅって……!!
 え、え、夢っ?!
 これ、夢っ……?!

「…………俺っ……るりと、なんか約束したの?」

「……知らなーい!」

 夢の様な時間にぽーっとなってたら「洗濯干さなくちゃ」って、さっさと離れて行っちった。

「るり!」

「なぁに?」

 聞いても、知らねーって言われたし。
 追っ掛けたくても、体が重くて、出来ねーし。
 ……でもっ!!

「…………ほんと、ごめんね……」
 
 いー加減な安請け合いは言えなくて、結局また謝ってる、馬鹿の一つ覚えそのものみてーな俺……。

「……んっ!!」

 るりは見たこともねーくれー眉間にぎゅーっと皺を寄せて、すげーむっとした顔をした。
 あああ……可愛い顔が、台無しじゃん……!
 ……誰のせい?
 俺のせーです、ごめんなさい。

「……いいよ、もう。ゆっくり、休んで。」

 しゅんとした俺を見てくすっと笑って、るりはくるっと踵を返した。

「……ありがと……」

 ……でもさ。
 俺、るりとしたってその約束、守っから。
 全然内容憶えてねーけど、どんな約束でも、絶対ちゃんと守っからっ!

 ……ってなぁ、いーかげんなヤツと思われっとやだから言わねー……不言、実行……。

 またずるずるとソファに転がって、るりの芸術的なお尻の上で踊るエプロンのちょうちょ結びを目で追いながら、まだ少しガンガンしている情けねー頭に、絶対忘れねー様に。
 約束の件を、叩き込んだのだった。

           【本編おしまい】
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