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ひと夏の恋……そして……
第1章 進みだした時間
しっかりと私の目を見ながら言葉にする。
その言葉に誘われるかのように――唇が重なった。
触れるだけのキスなのに涙が溢れてくる。
「もう、ひとりで頑張らなくてもいい。俺がそばにいるから俺を頼ってくれ」
「でもっ、私っ……」
夏樹にした仕打ちを考えると、夏樹の気持ちを素直に受け止めることができなかった。
こんな私が、夏樹の人生に寄り添っていいのか……それに私たちは夏樹の負担にしかならないんじゃないかと思ってしまう。
「私は、夏樹を裏切ったんだよ。それに――」
「それは昔の話だ。昔の事で罪の意識を感じて遠ざけないでくれ……今、真緒が俺に気持ちがあるならそれでいい。それ以外は望まないから」
夏樹の一言一言が私の心に響き、頑なに閉ざしていた心を簡単に開こうとする。
「昔の事で切られるのが一番辛いんだ。真緒が俺に気持ちがないのならあきらめる。だけど、そうじゃなかったら俺を受け入れてくれ」
「私はっ……」
言葉に詰まる私に、夏樹は真剣な眼差しを崩し、いつもの優しい表情でにっこりと微笑んだ。
その言葉に誘われるかのように――唇が重なった。
触れるだけのキスなのに涙が溢れてくる。
「もう、ひとりで頑張らなくてもいい。俺がそばにいるから俺を頼ってくれ」
「でもっ、私っ……」
夏樹にした仕打ちを考えると、夏樹の気持ちを素直に受け止めることができなかった。
こんな私が、夏樹の人生に寄り添っていいのか……それに私たちは夏樹の負担にしかならないんじゃないかと思ってしまう。
「私は、夏樹を裏切ったんだよ。それに――」
「それは昔の話だ。昔の事で罪の意識を感じて遠ざけないでくれ……今、真緒が俺に気持ちがあるならそれでいい。それ以外は望まないから」
夏樹の一言一言が私の心に響き、頑なに閉ざしていた心を簡単に開こうとする。
「昔の事で切られるのが一番辛いんだ。真緒が俺に気持ちがないのならあきらめる。だけど、そうじゃなかったら俺を受け入れてくれ」
「私はっ……」
言葉に詰まる私に、夏樹は真剣な眼差しを崩し、いつもの優しい表情でにっこりと微笑んだ。