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ひと夏の恋……そして……
第1章 進みだした時間
「真緒は、俺が嫌いか?」
夏樹に嫌いかと聞かれ、首を横に振った。
「さっきのキス、嫌だと思った?」
その質問には恥ずかしかったけど、首を横に振った。
「じゃあ、少しでも俺のことが好きだって気持ちはある?」
その言葉にも頷くと、夏樹はそれでいいと頭を撫でてくれた。
「難しく考えなくていい。もっとシンプルに考えてくれればいいから。俺が望むのは過去じゃない。俺が望むのは真緒との未来だ。それだけは忘れないでくれ」
「未来?」
「そうだ。未来だ。これからの長い人生の未来を俺は欲しいんだ。だから真緒、俺を受け入れてくれ!真和ごと俺は真緒を受け入れる」
夏樹は私が受け入れやすいように誘導してくれる。
こんな私でもまた、夏樹を好きになっていいんだと思わせてくれた。
「夏樹っ」
私の犯した罪が消えることはない。
だけど、許されるのなら夏樹と共に未来を見たいと思う自分もいた。
「私っ――」