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ひと夏の恋……そして……
第5章 運命のいたずら
「今日は浜辺を散歩して帰ろうか?」
手を繋いで歩く真和に声をかければ飛び跳ねるように喜ぶ姿に少し申し訳なく思う。
仕事仕事で日中は遊んであげられない。
夜は一緒にいることができても、外で遊ぶこともできないから少しでも外で遊ぼうとすると心から嬉しそうにはしゃいだりする。
「ねぇ~ママ?今日はなつ兄ちゃんと川の字で寝れないんだよね」
砂浜を歩いていると真和が私のシャツの裾を引っ張って聞く。
「そうだね。一週間は一緒に寝れないね」
そう告げると真和は寂しそうにうつむいた。
「なつ兄ちゃん、また僕と寝てくれる?」
「戻ってきたら一番に真和に会いに来るって言ってたよ。それまではママとふたりだけどいいよね」
ちゃんと夏樹が戻ってくることを告げると納得してくれたのか、笑顔で歩き始めた。
きれいな貝殻を見つければ夏樹にあげるんだとポケットに入れ、カニをみつければ今度夏樹と一緒に見るんだと、なにかにつけて夏樹の名前を口にする。