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ひと夏の恋……そして……
第5章 運命のいたずら
『真緒?今大丈夫?』
電話に出ると夏樹の声が耳に届いて会いたさが増す。
「大丈夫よ。今ね。真和と砂浜を歩いてるの」
『そうなんだ。貝殻とかカニ見つけて先に進まないんじゃないのか?』
「良くわかったね。1時間歩いて……500Mも進んでないかも」
他愛もない話でも声を聴けば安心する。
夏樹と別れて一日もたっていないのに早く会いたいとか思う。
真和だけじゃなく、私の方も一緒にいることが当たり前になっていた。
「そういえばね。真和にこれから先も夏樹がずっと一緒に住むことになったらって聞いたらうれしいって飛び跳ねて喜んでたよ。」
『マジ?』
「うん。まだ父親になったらって聞けなかったけど、夏樹がそばにいることは認めてくれてるみたい」
『そうなんだ。それでいいんじゃないのか?少しずつ俺がいることが当たり前になって自然と受け入れてくれればいいと思ってる。真和の事、一番に考えて行こうな』
いつも真和を一番に考えてくれる夏樹。
一日でも早く夏樹を父親と認めて本当の家族になりたいと強く願う。