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ひと夏の恋……そして……
第5章 運命のいたずら

「副社長!!こんな所にいらしたんですか?」

一番聞きたいことを聞こうとした時、男性の後ろ方から女性の呼ぶ声がして男性は振り返った。
そこには何度か会ったことがある女性・西条さんがこちらに向かって走ってきていた。
真夏だというのにパンツスーツを着ているという事は例の話だろうと察しはついた。
その西条さんに男性は頭を下げながら謝罪する。

「あ~……すいません。あまりにも海がきれいだったので、フラッとでてきちゃいました」

「フラッとって、どれだけ心配したと思っているんですか」

「申し訳ない」

頭を掻きながらヘラヘラと笑う男性に西条さんは呆れたように男性を諫める。

「これからは出かける時は一言声をかけてくださいよ」

「はい、すいません、以後気を付けます」

私の目の前で繰り広げられる会話に唖然としていると、最後には男性が委縮したようにして謝って収束はついたようだった
そして、男性の後ろにいる私に気がついて西条さんはいつもの笑顔で声をかけてきた。



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