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ひと夏の恋……そして……
第5章 運命のいたずら
「こんなところにいらっしゃったのですね。先ほどお店のほうに顔を出したんですけどいらっしゃらなかったので出直そうかと思っていたんですよ」
「すいません。息子を迎えに行っていたので……」
正直、この女性は好きではない。
悪い人ではないと思うけど、自分の言いたいことばかりを言葉にしてこちらの話を聞こうとはしてくれない。
彼女だけではなく、いつも一緒に来るリゾート開発を手掛けている社長も傲慢な態度で気にいらなかった。
島に根付いたリゾートを!島民と一緒に作り上げるリゾートを!と言うけれどいい条件ばかりを出してくるだけで、私たちに寄り添う姿勢が感じられなくて渋る島民も多い。
だからリゾート開発の話も全くと言っていいほど進ではいない。
「それで、今日はどんなご用件ですか?」
気にいらなくても無下にはできない相手。
もしリゾート開発が進んで店を手放すことになれば、これから色々と関わる相手だけに機嫌を損ねるわけにはいかなかった。
私と真和の生活のためにも。