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ひと夏の恋……そして……
第5章 運命のいたずら
「私はこのプロジェクトについて日が浅い。帳面上でしかこの島の事は知らないんです。そんな私が何を言っても絵空事。誰もまじめに取り入ってはくれない。それどころか胡散臭いと背中を向けられるのが関の山。だから私はここに来たんですよ。この島を知って、この島と共存するリゾートを作りたいとね――ですから、難しい話は結構です」
最後の言葉には威圧感さえ感じ、押し黙る西条さん。
前社長と西条さんとは違い、少しは信頼できる人かも知れないと佐伯さんを見ていた。
「そこでお願いがあるんですけどね」
威圧的な感じがしたかと思えば、次の瞬間には人懐っこく笑う。
「このあたりで宿とかないですかね?数日間こちらに滞在して島内を見て回りたいんですよね」
「それは無理でしょうね」
佐伯さんの言葉を一刀両断する西条さん。
さっきとは真逆の関係に笑いが出そうになった。