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ひと夏の恋……そして……
第6章 忘れられない夏

「じゃあ、今度連れていってもらおうかな?」
「うん。夏樹に言ったらいつでも連れて行ってくれるよ」
夏樹にもう一度見たいと言ったら嫌とは言わない。
特に和泉が見たいと言えば喜んで見に連れて行ってくれるはずだと、私は3人であの神秘的な風景を見つめる姿を思い浮かべていた。
だけど、和泉は違ってた。
「そんなに神秘的な景色なら――真緒とふたりで見たいな」
その言葉の意味が分からず和泉を見れば、そっと手を繋がれた。
それも指を絡める恋人繋ぎに驚き、慌てて立ち上がった。
そして話を逸らしたくて色々な事を頭の中で巡らせる。
「えっと……絵ばっかり描いてないで海に入ろうよ!夏を満喫しようよ!!」
私の言葉に和泉はくすくすと笑い、何もなかったかのように立ち上がった。
「そうだね。真緒には暇だよね。このまま海に入るの?それとも水着に着替えるの?」
「このまま入るよ。サンダルも脱いで行くよ!」

