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ひと夏の恋……そして……
第6章 忘れられない夏
私の言う通りビーチサンダルを脱ぎ、私の後を追ってくる和泉と一緒に海辺に走っていく。
素足のまま砂の上を歩くのは熱いけど、海に入ってしまえば関係ない。
ひんやりとした海水にブルっと震えたのは一瞬で、灼熱の太陽で熱くなっていた身体は一瞬にして温度を下げる。

「そういえば、和泉って泳げるの?」

「プールでは泳げるよ。だけど海ではどうだろう」

首を傾げながらクロールを始めた。
案外きれいに泳ぐんだと思って見ていると、波が押し寄せて飲み込まれそうになった。
まだ足が付く場所だったからよかったものの、海水を飲んだのか激しく咳き込み苦しそうだった。

「んっ……大丈夫、だから」

ゲホゲホと咽せる和泉の背中をさすりながら落ち着くまでそばにいた。
一旦砂浜に戻ろうと声をかけたけどもう少し遊んでいよう言われ、近くのお店で大きな浮き輪を借りて遊ぶことにした。
ふたりで浮き輪につかまり沖まで泳いでいく。
沖に出れば出るほど海水温は下がってヒンヤリする。
それが気持ちよくて、長時間海水に浸かっていた。


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