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ひと夏の恋……そして……
第6章 忘れられない夏
「真緒……怒鳴って悪かった。とりあえず和泉を家に連れて行くから、ここの片づけ任せていいか?」
怒鳴られた恐怖から頷くことしかできなかった私は、夏樹が和泉を抱きかかえて行くのを見送り、後片付けをしてから夏樹たちの後を追った。
夏樹の部屋に行こうと階段を上っていると、ちょうど部屋から出てきた夏樹と鉢合わせした。
「和泉は寝てるから下で話そうか」
和泉の顔を見たかったけど、夏樹の言うとり下で話すことにした。
居間に通され冷たい麦茶を出され一気に飲み干した。
「夏樹!和泉は?和泉は大丈夫なの?」
「ああ。少し熱はあるが少し休めば問題ないだろう……それより、怒鳴って悪かったな」
うつむいたまま謝る夏樹に私の方こそ謝った。
「私の方こそごめん。和泉に無理させちゃったんだよね」
「いや、和泉の言う通り真緒は何も悪くはないんだ。何も話してなかった俺が悪いんだから」
お互い謝りながら居心地が悪いと感じ、あれほどまでに仲が良かったのにと寂しさを感じていた。