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ひと夏の恋……そして……
第7章 揺れ動く私の心
動くこともできずにいると、いつの間にか規則正しい寝息が聞こえ始め、病気で気弱になっていたことが分かった。
眠っている和泉の寝顔を見ながら、繋がれていない手で和泉の前髪をかき分ける。
普段はサラサラな髪の毛も、汗を拭いたばかりなのにしっとりと湿っていた。
和泉が寝込んでしまって3日、熱は下がることなく続いて食欲もないらしく弱っていくばかり。
私が顔を出せば平気だとよと無理をして笑うからお見舞いに来ない方がいいのかなとも思うけど、和泉を病気にしたのは私だからと足を運んでいる。
ただの自己満足かもしれないけど、今の和泉の傍にいてあげたい。

「ごめんね。私が無理をさせたばかりにこんなことになって。和泉が良くなるまでずっと看病するからね。一日も早く良くなってまた遊ぼうね……また私に笑ってね」

和泉が起きていたら気を使わせて言えないからと、眠っている和泉に思っている事を伝えた。
それからベッドに身体を預けて和泉の髪の毛を撫でている間に眠っていたようで、夏樹が部屋に入ってきたことも分からなかった。


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