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ひと夏の恋……そして……
第7章 揺れ動く私の心

「ごめん、寝ちゃった」

「それはいいけど……バイトと勉強と看病で疲れてるんだろう。あまり無茶するなよ」

夏樹の手が優しく髪の毛を撫で気遣ってくれる。

「大丈夫だよ。和泉が寝込んだの私のせいだし……」

そう言葉にしながら、和泉と繋がれた手が解けていないことに驚き、ちらりと夏樹の方に視線を向けた。
夏樹は手を繋いでいる事には何も触れずに私を抱きしめ、私はその間に和泉との手を解いた。

「俺が怒鳴ったせいで責任感じてるんだよな、ごめんな。あれは何も言わなかった俺が悪いし、自己管理できなかった和泉も悪いんだ。だから誰も真緒のせいだとは思ってないからな。真緒が責任を感じることはないんだ」

言い淀んだ私に対して、夏樹はそう思ったらしい。
手を繋いでいたことに反応したわけではなくてホッとしたけど、同じだけ寂しさを感じた。
夏樹は私が他の男性と手を握っていても気にしないんだと。


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