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ひと夏の恋……そして……
第7章 揺れ動く私の心
そう思いながら時計を見ると、夜のバイトが始まる時間を少し過ぎていた。

「ごめん、夏樹!バイト行かなきゃ」

慌てて帰ろうと立ち上がると、夏樹も立上げり一緒に部屋を出た。
外まで見送ってくれるのかと思っていると、そのまま壁に押しつけられて噛みつくようなキスをする。
はじめは驚いた荒々しいキスも、舌が絡み合えばいつの間にか夏樹の服を握り締めて受け入れていた。

「夏樹っ……バイトにっ」

行かなきゃと口にしながらも、止めてほしくない私は自分から舌を絡ませ心までトロトロに蕩けるような熱いキスを交わした。

「やばいな。止まらなくなりそうだ」

無理矢理キスを止めた夏樹は、そのまま私をギュっと抱きしめて肩に顔を埋めた。
そして弱々しく言葉にする。

「……和泉でも触らせるなよ」

「えっ?」

「床の上に濡れたタオルとシャツが落ちてた。汗かいたあいつの身体を拭いてやったんだろう?世話をしてくれるのはありがたいとは思うけど……他の男に触られたくない。みっともない嫉妬だけどイヤなんだよ」


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