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ひと夏の恋……そして……
第7章 揺れ動く私の心
初めて聞く夏樹の弱々しい声にキュンとする。
それよりも和泉と手を繋いでいたことに何も感じていないと思っていたのは私の勘違いで、心配どころか嫉妬してくれたことがうれしかった。
私を一人の女性としてみていてくれたんだと思うと、和泉と話していて不安になっていた気持ちが少なからず薄らいだ。
それでも完全に不安が消えることはない。
和泉にちゃんと伝えられなかった私たちの関係。
出来ることなら自分の彼女だと改めて紹介してほしいと、今の関係を明確にしたかった。

「夏樹っ!あのね、私た――」

つきあってるの?と聞こうとし時、スマホのメロディーが鳴った。
メロディーから叔母さんからだと私も夏樹も分かってスマホを取りだすと、夜のお店を開けてから30分は過ぎている。
催促の電話だと思い通話にすると切羽詰まった叔母さんの声が夏樹にも聞こえるぐらいに響いた。

「真緒!どこにいるの??満席で手が回らないから早く戻ってきて!!」

悲鳴にも似た叔母さんの言葉に、夏樹と一緒に笑った。
夏樹とはいつだって話ができるからと、最後に触れるだけのキスを交わして足早にお店に戻った――……


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