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ひと夏の恋……そして……
第7章 揺れ動く私の心
さらっと言葉にする和泉の言葉にドキドキしながら、お互いに何も話さず海辺を歩いた。
暗闇の中手を繋いで歩く私たち。
きっと恋人同士に見えているに違いない。
そう思うとドキドキは加速して、繋がれた手がじんわりと汗ばむのが分かるけど、和泉が手を離してくれることはなかった。
30分ほど歩き、自販機でお茶を買って流木に座って打ち寄せる波を見ながら喉を潤した。
「昨日も思ったけど、夜になると昼間の暑さが嘘のようだね」
「風がある時は気持ちが良いよね。これだったら和泉も外に出ても平気なんだよね」
「夜だったら何も考えなくていいからね」
「何か吸血鬼みたいだね。夜になると動き出す」
色白の和泉が黒いマントを翻して降り立ってくる姿を想像すると妙にはまっていて笑いが出そうになった。
だけど私と違って和泉は眉間に皺を寄せてジッと私を見ていた。
病気のことを変に揶揄して怒ったのかと思い笑みを消すと、和泉の手が伸びて頬に触れた。
暗闇の中手を繋いで歩く私たち。
きっと恋人同士に見えているに違いない。
そう思うとドキドキは加速して、繋がれた手がじんわりと汗ばむのが分かるけど、和泉が手を離してくれることはなかった。
30分ほど歩き、自販機でお茶を買って流木に座って打ち寄せる波を見ながら喉を潤した。
「昨日も思ったけど、夜になると昼間の暑さが嘘のようだね」
「風がある時は気持ちが良いよね。これだったら和泉も外に出ても平気なんだよね」
「夜だったら何も考えなくていいからね」
「何か吸血鬼みたいだね。夜になると動き出す」
色白の和泉が黒いマントを翻して降り立ってくる姿を想像すると妙にはまっていて笑いが出そうになった。
だけど私と違って和泉は眉間に皺を寄せてジッと私を見ていた。
病気のことを変に揶揄して怒ったのかと思い笑みを消すと、和泉の手が伸びて頬に触れた。