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ひと夏の恋……そして……
第7章 揺れ動く私の心
「じゃあ、その吸血鬼は何をするか知ってる?」
「えっ?吸血鬼??えっと、血を吸う?」
思いもしなかった問いに答えると、和泉はそうだよとうなずいた。
「吸血鬼は美女の血を吸って生き続けるんだよ。そして血を吸われた美女も吸血鬼となって永遠の命を手に入れ一生を共にする」
「一生を?」
「そうだよ。愛した女性は殺さない。ずっと自分の傍に置いて永遠を共にするんだ」
「だったら愛されなかった女性は?」
「もちろん、一滴残らず血を吸い取って殺すまでだよ。だから吸血鬼に愛される女性はこの世で幸福な女性なんだ」
和泉の言葉ひとつにドキドキしながら聞き入っていた。
「こんな満月の日に吸血鬼は美女を探す。そしてその女性を愛してしまえば、こんな風に歯を立てて仲間にするんだよ」
和泉の手が頬から首筋に流れて髪の毛を後ろに流した。
ちょうど首筋が無防備になった時に、和泉は私の首筋に噛みついて歯を立てた。