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ひと夏の恋……そして……
第8章 彼との深まる愛

「もう、和泉がいきなりキスしちゃうから途中だったじゃない」
少し頬を膨らませて怒ってみせると、ごめんごめんと膝に乗っている私の指に自分の指を絡めてきて、その体温が暖かくて許してしまう。
「私のお気に入りの風景があそこだったの。砂浜を降りてすぐの場所で見たんだ。」
「あそこがそうなんだね。ふたりで見に行こうって約束してたから行かなきゃね。真緒も覚えているよね。夏樹抜きで見に行こうって言ったの」
繋がれた手の甲にチュッとキスをしながらちらりと見られ、なんだか恥ずかしくなった。
「覚えてない?」
「覚えてるよ……いきなり言われたから驚いたけど……」
「あの時から僕は真緒の事気になってたからね。」
そんな前から私に好意を持っていてくれたことに驚きながらうれしくて、自分から和泉に身体を預けて寄りかかって家まで帰った。
戻れば今日は上がっていいよと言われ自由な時間ができ、お互いに顔を見合わせ考えることは一緒で、おばあちゃんに夕方も車を貸してもらえるようにお願いをして出かけることにした。

