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ひと夏の恋……そして……
第8章 彼との深まる愛

「そうだね。プロになるといろいろと制限がかかるからね。自由にやれるのなら自由が一番だと僕は思うんだ。」
――自由にやれるなら自由が一番
その言葉は良く分かる。
いろいろな人の後押しで勝ち取った私の自由。
それを知っているだけに和泉の言葉は妙に納得できたし、それでいいんだと思うことができた。
「じゃあ、和泉も趣味でずっと絵を描いていくの?」
「そうだね。僕の唯一の趣味だからね。こればかりは誰に何と言われてもやめないかな?それに絵を描いている時だけが僕が自由にできる時間だから止めたくはないかな?」
「絵を描いている時だけ?」
「仕事をはじめたら自由なんてなくなっちゃうからね、きっと……。だから自分の時間として絵を描く時間は確保していたいんだ」
和泉の言いたいことが理解できれば、何だか少し寂しく感じた。
来年の今頃は社会人になっている和泉。
絵を描く暇もないほど仕事に追われているのかと思うと身体の事も心配になるし、忙しくしている傍にいて色々と手伝いをしてあげたいとか未来を想像した。

