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ひと夏の恋……そして……
第8章 彼との深まる愛

「すごいね……」

和泉の感想はその一言だった。
それ以外に言葉は見当たらない。
それが最上級の言葉だと私は知ってる。

「他に言葉はみつからないよね」

「うん。これ以上の言葉は探せないよ」

瞳を爛々と輝かせながら空を見上げる和泉の横顔がきれいで見惚れてしまうほどだった。
暫く夜空を見上げていた和泉が私に視線を向けると、フッと頬が緩み優しい笑みを向けてくれた。

「素敵な景色をありがとう。一生……忘れないと思う」

「一生なんて大げさだよ。それより、この景色を書きたいと思ってるでしょ?」

「描きたいけど……スケッチブックの中にはおさまらないよ」

和泉は照れながら笑った。
だけどこの風景を描きたいと思っているのは強く感じ、私も和泉がどういう風にこの景色を見ているのか知りたいと思う。

「でも描きたいんでしょ?それを私は見てみたいな」

「真緒がそう言うのなら……描こうかな」

おねだりすると簡単に叶ってしまった。
和泉があの神秘的な景色をキャンパスに描き起こすのが今から楽しみでワクワクした。


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