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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間
「気にしすぎだって。食欲だってあるし元気だよ。最近店も忙しいし、その疲れなんじゃないかな?それより叔母さんの方こそ無理しないでよ。叔母さんに倒れられたら困るんだから」
「それはそうだけど……」
どこか納得していないようだったけど、目の前にある朝食を全部食べておかわりまですると、気のせいねと笑って納得してくれた。
叔母さんがお店の仕込みを始めると、私は勉強をするために自分の部屋に戻った。
だけど、勉強をせずに枕だけを出して畳の上に転がり、叔母さんからの呼び出しがあるまで眠ることにした。
「真緒!人が多くなってきたから手伝って」
叔母さんの呼ぶ声に重たい瞼をあけて背伸びをして降りていけば、いつもと同じように店内は満席で賑わい、厨房内では叔母さんとソンちゃんが慌ただしく動いていた。
「これ3番と5番。あと7番と1番のテーブル片付けて」
私の姿を見るなら指示が飛んでくる。
もたもたしていると雷が落ちるから慌てて言われたことをこなしていつもの日常が始まった。