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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間

「真緒ちゃん、今日も忙しそうだね」

「ナベさんいらっしゃい。今日も満席、ありがたい事にお客さんがたくさんきてくれて賑わってますよ。大変ですけどね」

常連客のナベさんをいつものようにカウンターに案内しながら会話を弾ませる。
忙しくても常連客には時間を割くことに怒られることはない。

「毎日店を手伝って感心するよ。せっかくこの島に遊びに来てるんだからもっと遊びたいだろうにさ」

「ちゃんと遊んでますよ。それにお店の手伝いも楽しいしアルバイト代も入るから一石二鳥です。はい、お水どうぞ」

「ありがとう。それにしても今どきの子にしては珍しいよな。マリさんも良い姪っ子がいてよかったよな」

私の言葉にナベさんは厨房で忙しく動いている叔母さんに話しかけると、叔母さんは手を動かしながら話をする。

「そうだね。真緒がいてれて助かってる部分は多いね。私とソンちゃんだけじゃ手が回らないからね」

叔母さんの言葉は、ここに居ていいんだと言われているみたいに嬉しくなる。


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