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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間
「しばらくの間、会わないほうがいいのかな?」
自分で言葉にしながら涙が滲んでくる。
もっと一緒にいたいと思っているのに現実は逆で、会う機会を奪われてしまいそうでさみしかった。
そんな私の気持ちを感じてくれたのか、和泉の手が私の手と重なり指を絡めてくる。
「用心に越したことはないね。でも会いには行くよ。初めの頃のように手を繋いで浜辺を歩いたりキスをしたり、それだけでも僕は十分だよ」
温かな手の温もりを感じながら和泉の言葉を聞けば不安は消えていく。
エッチをするだけが恋人でもないし、そこに和泉がいてくれるだけでいい。
「和泉の言うとおりだね。和泉が傍にいてくれればそれだけで十分だよ。私も」
お互いに気持ちを確かめあうと、どちらからともなく顔を近づけてキスをした。
パラソルで少しは隠されていると言っても誰に見られてるとも分からない開放的な真夏の青空の下で、和泉の唇と舌を感じながらキスを続けた。
そしてその夜からは約束通り、手を繋いで浜辺を散歩してキスを交わす程度で家に帰ることになった。
だけど、毎日会ってキスをしてお互いに我慢できるわけがなかった。