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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間
「そういえば真緒、昨日の夜中に外歩いていなかったか?」
いきなりの質問に、食べていたものを喉に詰まらせ慌ててお水を飲みこんだ。
「何慌てたんだよ」
せき込む私を笑いながら背中を擦ってくれていた。
「いっ、いや、夏樹が変なこと聞くからだよ」
「変なこと聞いたか?」
「聞いたよ!!夜中に外を歩くわけないじゃん!何言ってるの?」
慌てて否定しながらマカロニグラタンを頬張り素知らぬふりをする。
「そんなに慌てて食べたらまた喉に詰まらせるだろうが。今日の真緒は落ち着きがないなぁ」
何も不思議がることなく夏樹は笑いながら背中を撫でていた手で頭をポンポンと撫でてくる。
あまり深く追求されなくてよかったと安心しながら残りの賄を食べ始めた。
だけど、和泉とつきあっていることはいつか夏樹に言わないといけないと思っている。
一時期は恋心を抱いてお互いに好きあっていると思ったこともあったけど、夏樹は和泉の親友で私の――お兄ちゃん的存在だとしか思っていないから。