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ひと夏の恋……そして……
第2章 逃げてきた場所
あれだけ泣いて寝れば心はずっと軽くなっていた。
叔母さんには迷惑をかけたから一言謝りたいと思っても、どんな顔をして行けばいいのか分からず動けなかった。
そんな中、外からは楽しそうな声が聞こえ、その声に引かれるように網戸を開けた。
夏休みだけあって砂浜は人だらけ。
夜の浜辺も人が多いと思ったけど、昼間の浜辺は夜とは比べられないほど人で溢れかえっていた。
それぞれが楽しそうに笑って遊んでいる姿が羨ましく私の目には映る。
私も友達と遊びたかった、こんな風に笑いあって青春時代を過ごしたかった。
だけど、それは叶わぬ夢。
それは絶対に許されない……

「あれ?真緒ちゃん?」

外を見ていると昨日の男性が現れ、私は咄嗟にカーテンの裏に逃げ込んだ。
嫌な奴と思われたかもしれない。
だけど、男性とどう接して良いのかもわからなかった。
私は何も知らない。
遊ぶことも、人とのコミュニケーションも私は知らなかった。


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