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ひと夏の恋……そして……
第10章 夏の終りと共に

「和泉、大丈夫?水飲む?」
気怠い身体を起こして和泉に声をかけると小さく頷き、家から持ってきたペットボトルの水を口に含んで和泉の口の中に流し込んだ。
ゆっくりと飲み込むスピードに合わせて、2度3度同じことを繰り返すと落ち着いたのか、身体を起こしてペットボトルから直に飲み始めホッと心を撫でおろした。
「心配かけたね」
引き寄せられる腕に身を任せて和泉に寄りかかれば、胸の音がドキッドキッとまだ少し早い。
「ううん。今日はいつもより暑かったから、私のほうこそ気がつかなくてごめんね」
ここ数日は夕立が降るせいか、ムシムシとして何もしなくても汗が滴り落ちるような猛暑日が続いていた。
そんな中でクーラーを入れていると言っても、私たちの身体から発する熱気で車内は危険なほど湿度も温度も上がっていた。
そんな場所で愛し合えば和泉の身体に負担を強いるのは当たり前で、また無理をさせてしまった。

