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ひと夏の恋……そして……
第11章 甦る記憶と共に

急いで食べる私を不思議な顔で見ている佐伯さんを無視して食事を進めた。

「真和、食べ終わったら保育園に行く準備をして。佐伯さんはゆっくりと食べてくださいね」

いつも以上にゆっくりしてしまったから本当に時間がなかった。
茶碗を洗っている間に佐伯さんは自分の分の茶碗を持ってきてくれたから洗う事もできた。
その間に真和はひとりで保育園に行く準備をし、靴を履いて私が出てくるのを佐伯さんと外で待っていた。

「今日は島内を見て回りたいと思っています。真緒さんの自慢の景色を堪能してきますね」

その言葉にホッとしたのは言うまでもない。
一緒に家をでてくれたおかげでソンちゃんと佐伯さんが鉢合わせせずにすむからだ。
ソンちゃんに佐伯さんを泊めていることを知られてはいけない。
佐伯さんを家に泊めていると知られれば決していい顔はしないし、それどころか怒られるのは確実で、それだけは避けたかった。
どこまで隠し通せるか分からないけど、隠し通したいと思っていた――


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