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第11章 甦る記憶と共に

今日もいつもと変わらず大忙しで、閉店時間をオーバーして店を閉めることができた。
今日もちーちゃんママに真和の事をお願いしているから、簡単に後片付けをしてちーちゃんの家まで真和をお迎えに行く。
夏だけは保育園のお迎えの時間に間に合わないことが多いから、ちーちゃんママにお願いしている。

「ちーちゃんママ。今日もごめんね」

「困ったことがあったらお互い様よ。――真和くん！！ママがお迎えに来たから帰る準備してね」

ちーちゃんママが奥にいる真和に声をかけると、元気の良い声が聞こえ、帰る準備ができた真和が一目散に私のもとに走ってきてにっこり笑う。

「ママ、おかえり～」

「ただいま」

腰を落として真和の目線でただいまを言うと、真和はそのまま抱きついてくる。
この瞬間にいつも癒される。

「じゃあ、帰ろうか」

私の言葉に頷いた真和は靴を履き、ちーちゃんにバイバイの挨拶をして帰ることにした。
ちーちゃんの家からは歩いて20分。
幼稚園であったことを聞きながら家に向かった。