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ひと夏の恋……そして……
第11章 甦る記憶と共に
真和の恋をバカにするでもなく、優しく見守る姿にほほえましく感じる。
それから真和は保育園であった頃を佐伯さんに話し始めた。
どんな些細な話でも真剣に来てくれる佐伯さんの姿勢に、夏樹と同じように安心感を覚えているんだろう。

「真和くんは保育園から帰ったらいつも何してるのかな?」

「えっとね~~ママのお手伝いしたり、海辺をお散歩したり、色々!!」

元気に答える真和は、海辺を見てから私の方に視線を向けた。
外で遊びたい意思表示で、少しだけならと思っていると佐伯さんが真和に話しかけた。

「昨日は中断させてしまったね。そのお詫びに今から一緒に遊ぼうか?いいですか?真緒さん」

「えっ?あっ、はい。大丈夫ですけど」

「やったぁ~~じゃあねじゃあね。貝殻拾ってね。カニさん見せてあげる。それからね!!」

佐伯さんの腕から降りた真和は、佐伯さんの手をひっぱりながら砂浜に降りて行った。
一度も振り返らない真和に少しヤキモキしながらも、真和が笑っていれば私もうれしくなる。


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