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ひと夏の恋……そして……
第11章 甦る記憶と共に

『そういえば真和は?近くにいるんだろう?』
「あっ、えっと……ちーちゃん、ちーちゃんと浜辺で遊んでるの。」
『本当に真和はちーちゃん一筋だな』
佐伯さんの事は言えないから咄嗟に嘘をついて誤魔化した。
本当の事は言えないし、決して夏樹には知られてはいけないと、一度目を伏せ深呼吸をして自分を落ち着かせた。
「そうだね。同じ年の子がほとんどいないから特別なんじゃないかな?」
『真和の上ってなると……小学4年になるんだっけ?』
「うん。穂高さんの所の娘さんね。どんどん子供の数も減ってきてるからね」
この島には小学生までの子供が10人もいない。
特に真和の下にはちーちゃん以外に2歳の子供がいるだけで衰退の一途を辿っている。
子供だけじゃない、家族そろって本土に渡る人もいるから減る一方だった。
「子供がいなくなったらこの島どうなるんだろう?」
『う~ん……それを考えたらリゾート開発は必要かもしれないな。観光資源が増えれば人も増えるだろうしな』
やっと心を落ち着かせて夏樹と話しているのに、リゾート開発の言葉にドキッとした。

