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ひと夏の恋……そして……
第11章 甦る記憶と共に
すっかり忘れてはいたけど、佐伯さんはリゾート開発のために来た人だから、そのうち夏樹に会うのかもしれないと思うと苦笑いしかでてこない。

『そういえばさ。最近西条さん顔出さないよな。今度こそは本気っぽかったのにさ。またいつものように立ち切れになるんじゃないか?』

「あ~……それは」

ただ担当が変わっただけと言えばいいのに、家に泊まっているという後ろめたさで正直に話すことが出来ずにいた。

『何か言ってきた?』

言葉に詰まる私に夏樹はもう一度聞くから、観念して話すことにした。
それも冷静を装って……

「担当が変わったって、挨拶に来たよ」

『変わった?』

「うん。他の会社と合同で進めるようになって、新しい会社の方が担当になったって、西条さんと挨拶に来たの」

『そうなんだ。今度はどんな感じの人?前の担当は感じが悪かったからな』

「う~ん……よさそうな人だったよ。この島のことをよく知りたいって言ってくれたから、前の人よりは良いんじゃないかな?」


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