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ひと夏の恋……そして……
第11章 甦る記憶と共に
当たり障りのない佐伯さんの情報を伝えると、だったらいいけどなと言って話は終わりほっとした。
だけど、いつかは夏樹と佐伯さんは顔を合わせることになり、その時の反応を考えれば複雑な気分になる。
泊めたことも知られれば、あの時と同じように夏樹を傷つけるんじゃないかと今更ながら泊めたことを後悔した。

『今度は真和が居るときにでも電話すよ』

「うん。そうして。真和も喜ぶと思うから」

何も知らない夏樹は、相変わらず真和の事も心配してくれる。
その夏樹を悲しませたくないと強く思う。

『じゃあ、またな』

「うん。楽しんできてね」

そう言って電話を切れば、ドッと疲れた感じがした。
嘘ってこんなにも疲れるものなんだと感じたくもない疲れを感じ、カウンターの椅子に座って一息入れた。
だけどこのままダラダラするわけにも行かず夕食の準備をする。
佐伯さんに好き嫌いを聞いていなかったなと思いながら、誰でも好きなハンバーグを焼いていると肩車をされた真和と佐伯さんが戻ってきた。


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