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ひと夏の恋……そして……
第11章 甦る記憶と共に

「すいません。佐伯さんにそんなことまでさせて」
「いえいえ。小さい子にせがまれると嬉しいものですね。真緒さんが真和くんのために頑張る気持ちが分かるような気がしました。こんなにかわいい子がいるなら、苦労も苦労とは思わないんでしょうね」
「いえ、そんな……」
肩車から降ろされた真和は佐伯さんと一緒に手を洗ってカウンターに座りお喋りを始めた。
この1時間でグッと距離が縮まったのか、昨日の夜に出会ったばかりとは思えないほど真和は佐伯さんに懐いていた。
「真和、お話はそこまでにしてご飯食べるよ」
いつまでも続く会話に口を挟むと、いつもご飯を食べる奥の部屋に佐伯さんの手を引っ張り連れていった。
その後を追っていけば、佐伯さんの横に真和は座って私が来るのを待っていた。
「ママのハンバーグはね。世界一美味しいんだよ」
テーブルの上に置いたハンバーグを見て真和のテンションが一気に上がった。
どんなに機嫌が悪い時でも、このハンバーグを出せば直ぐに機嫌が直るほど真和の大好物だった。

