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ひと夏の恋……そして……
第2章 逃げてきた場所
「ねーねー。キミ、新しいバイトの子?かわいいよね。今度、俺らと遊ばない?」
水を継ぎ足して帰ろうとすると、茶髪のいかにも軽そうな男性グループが声をかけてきた。
いきなりそんな言葉を投げかけられてどうしたらいいのか分からずパニックになかけた。
「ノリさん。それナンパ?」
夏樹さんがカウンターから立ち上がり、私の元に足を進めて楽しそうに声をかけた。
「そそ。ナンパ。だってめっちゃかわいいじゃん。夏樹もそう思うだろう?」
「まぁね。けど良い事教えてあげるよ。この子ね。マリさんの姪っ子さん、手を出すと殺されるよ」
「誰が殺されるって?」
「あれ?聞こえてた?だってマリさん怒ると怖いんだもん。ということで、この子に手を出さない方が身のためだよ」
そう言い捨てると、私の手を引いてカンターの方に戻って行った。
後ろでは、さっきの男性グループに叔母さんが楽しそうに話していた。