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ひと夏の恋……そして……
第11章 甦る記憶と共に

「ごめん、もうないの。今日はおしまい」

思った以上にお昼にハンバーグが出たので、お替りできるほど残ってはいなかった。
いつもより小さくなったハンバーグは真和の胃を満足にするには少なかったようで、今にも泣きだしそうは表情をする。
仕方なく半分切って皿にのせれば、その横に佐伯さんも自分の分を半分に切って乗せてくれた。

「これでひとつになったね」

ふたつのハンバーグがくっつきあい、佐伯さんの言う通りひとつのハンバーグができあがった。

「やったぁ~~!!ママ!千春兄ちゃん、ありがとう!」

今まで泣きそうだったのに一瞬にして笑顔になり、ふたつめのハンバーグを無言で食べはじめた。
その姿を微笑ましく見ながら私たちも食事を進めた。
食事がすみ、いつものようにお風呂の準備を始めていると真和は佐伯さんと入ると言いだした。
さすがにそこまで甘えられないと思っていても、佐伯さんは断ることもなく真和と一緒に入ることを快く了承して入ることになった。


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