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ひと夏の恋……そして……
第12章 成長とやさしさ
ソンちゃんには35歳の息子が一人いる。
本土で仕事をしている時に知り合った人と結婚し、孫が2人いると聞いたことがある。
聞いたことがあるというのは、一度も会ったことがないから。
奥さんが田舎を毛嫌いしているらしく、結婚して数年はお正月とお盆だけは顔をしていたのに今では顔を出すこともない。
電話をかけても迷惑がられているのが分かるからと、ソンちゃんから連絡することもなくなったと聞いた。
真和が生まれて家族とは縁を切っている私が何を言っても説得力がないから何も言えない。
だけど、今のソンちゃんを見ているとこれでいいのかと思わないわけでもない。
「ねぇ、ソンちゃん。今年の夏も息子さんたち帰って来ないの?」
「さぁね~。連絡もないから帰って来ないんじゃないのかい?帰ってきても店が忙しくて相手してやる暇もないから来ないほうがお互いにいいんだよ」
関係ない素振を見せているけど、スマホの待ち受け画面が息子さん家族の写真なのは知ってるから、その言葉が本音だとは思っていない。
どうにかしてあげたいとは思うけど今の私にはしてあげられることはない。
本土で仕事をしている時に知り合った人と結婚し、孫が2人いると聞いたことがある。
聞いたことがあるというのは、一度も会ったことがないから。
奥さんが田舎を毛嫌いしているらしく、結婚して数年はお正月とお盆だけは顔をしていたのに今では顔を出すこともない。
電話をかけても迷惑がられているのが分かるからと、ソンちゃんから連絡することもなくなったと聞いた。
真和が生まれて家族とは縁を切っている私が何を言っても説得力がないから何も言えない。
だけど、今のソンちゃんを見ているとこれでいいのかと思わないわけでもない。
「ねぇ、ソンちゃん。今年の夏も息子さんたち帰って来ないの?」
「さぁね~。連絡もないから帰って来ないんじゃないのかい?帰ってきても店が忙しくて相手してやる暇もないから来ないほうがお互いにいいんだよ」
関係ない素振を見せているけど、スマホの待ち受け画面が息子さん家族の写真なのは知ってるから、その言葉が本音だとは思っていない。
どうにかしてあげたいとは思うけど今の私にはしてあげられることはない。