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ひと夏の恋……そして……
第12章 成長とやさしさ
「それより真緒、今日は店を早めに閉めるんだ。真和とゆっくりしてくるといいよ。ここ数週間一緒に居た夏樹ちゃんがいないんだ。さみしい思いをしてると思うよ。だからとことん甘やかしてやるといい」
時計を見ると、いつものお迎えより2時間は早い。
真夏の稼ぎ時に遊んであげられる事が少ないから、ソンちゃんの言葉に甘えることにした。
「そうだね。夏に遊んであげられることもないから真和の行きたいところに行ってくるよ」
「そうしてやんな。でも無理はしないこと。真緒の休息が一番なんだから」
「分かってるって。――じゃあ、ラストまであと少し、頑張りますか!!」
気合を入れて残りのオーダーを手早く済ませて、いつもより早く店を閉めることが出来た。
「今日の賄はいらないよ。」
最後の最後まで気を使ってくれたソンちゃんは、そう言って帰っていった。
私もその足で保育園まで迎えに行くと、真和は驚いた顔をしながら一直線に抱きついてくる。