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ひと夏の恋……そして……
第12章 成長とやさしさ
「真和?」
やっぱり具合が悪いんじゃないかと駆けよれば、真和は枕をポンポンと叩いてにっこりと笑った。
「ママ、疲れてるでしょ?だから仕事が早く終わった時ぐらいは休まなきゃ。休むには寝るのが一番なんだって」
「もしかして、ママを休ませるために家がよかったの?」
私の言葉に大きく頷いた真和は、私の手を取って座るように引っ張っるから座れば、少し大人びた表情をして優しい言葉をかけてくれる。
「先生がね。ママは頑張ってお仕事してるからお迎えが遅くなっても早くお迎えに来てって泣いちゃだめだよって。僕が泣いちゃうとママが無理して頑張るから我慢しようねって……それにね。お寝坊するのは疲れている証拠だからって、だからね。今日は僕とお昼寝しよう?」
真和の言葉に涙が溢れそうになった。
いつも我慢ばかりさせているから今日だけでもと思っていたのに、逆に心配させてしまっている。
まだ5歳で母親に甘えたい年のはずなのにと思うと、真和を抱きしめていた。