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ひと夏の恋……そして……
第12章 成長とやさしさ

「これ、真和が作ったの?」

「うん。千春兄ちゃんと一緒に作ったの」

「じゃあ、さっきはこれを書いてたの?」

「うん。一生懸命書いたんだよ。ママ、うれしい?」

真和から受けとった皿をテーブルの上に置いて真和を抱きしめた。

「うん。うれいし。今までで一番の贈り物だよ」

今まで色々なモノを貰ってきたけど、本当に一番の贈り物だった。
これ以上うれしいことはない。

「ありがとう。真和、ありがとう」

何度も何度もお礼を言うと真和は照れたのか、私の腕の中からすり抜けて厨房で何かを始めた。
手伝おうとすればダメだと言われ、大人しく座っていることにした。

「気になるでしょうが今日は私たちに任せてください。火を使うときはきちんと見ていますから」

佐伯さんの言う通り一番の心配は火を使うことで、見ていてくれるという一言に安心して任せることにした。
それからオムライスとコンソメスープとサラダがテーブルの上に並べられ、そのオムライスには『ママ ありがとう』の文字が書いてある。


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