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ひと夏の恋……そして……
第12章 成長とやさしさ
「よかったね。その中の数人と明日から旅行でしょう?そっちも楽しんできてね」
『そうなんだよなぁ。ヤローばかりなんだけどな。これが楽しいんだ。明日から3日間一緒なのについつい集まって喋っちゃうんだよな』
「本当に仲良しなんだね」
『まぁな。良いことも悪ことも色々やったしなぁ~殴り合いの喧嘩もしたし、人に言えないこともやったし、青春を謳歌してたと思うぞ。俺たちは』
夏樹の言葉に、高校時代の夏樹の姿が目に浮かぶ。
当時の事を知らなくても写真でならまだ若かった頃の夏樹を知ることはできる。
学校をサボって海に遊びに行った話や、ロケット花火をお互いに向けあったこと、学校帰りにマックによったりお好み焼きを食べに行ったことを楽しそうに話してくれた。
その時と同じテンションの夏樹をうらやましく思う。
『どうした?』
少し黙り込むと心配した声音に代わる。
遠く離れていても気遣ってくれる夏樹の心が身に染みた。